イスタンブールはトルコ最大の都市であり、歴史的建造物や美しい景観が多く、観光地としてとても人気の高い場所です。
しかしその裏側では、観光客を狙った詐欺やトラブルが日常的に発生しており、特に日本人は狙われやすい傾向があります。

この記事では、私がたった1日の滞在中に体験・目撃・警告された実話と、在イスタンブール日本国総領事館が注意を呼びかけている実際の詐欺事例をまとめています。
これから訪れる方にとって、事前に知っておくことで防げることばかりです。
あなたの旅が安全で思い出深いものになるよう、ぜひ参考にしてください。

実際の詐欺事例

■ 絨毯詐欺①:親切なふりをして高額な絨毯を売りつける

PDF掲載の典型的な事例:
– スルタンアフメット地区で日本語で話しかけてくる男性に遭遇。
– 「日本に行ったことがある」「芸能人と友達」と親近感を演出。
– 無料観光ガイドや食事のあと、じゅうたん店に連れていかれ、断りにくい雰囲気に。
– 高額な絨毯を購入させられる。

対策:親切を装っていても、少しでも違和感があればその場を離れる勇気を持ちましょう。

■ 絨毯詐欺②:貿易関税を還元すると偽って高額購入させられる【実体験】

これは私自身が実際に遭った、極めて巧妙で悪質な詐欺です。
イスタンブールにたった1日滞在した中で、SULTANN BAZAARという店で被害に遭いました。

実際の流れ(詳細)
1.旧市街を歩いていたところ、日本語で話しかけられ、土産店に案内されました。
2.トルココーヒーやビールを出されながら、「日本にたくさんパートナーがいる」「貿易ビジネスをしている」と話されます。
3..その場では話半分で流していましたが、お腹が空いたと伝えると「いいレストランを紹介するよ。一緒に行こう」と言われ、食事をともに。
4..食事中もその話題が続き、「もし気になるなら社長と直接話してみたら?」と誘導されます。

5.店に戻ると、地下の絨毯がたくさん置いてあるスペース兼商談スペースに案内され、社長との商談が開始。

商談で言われた内容

・「トルコ絨毯はすべて手縫いでとても高価。国内でも1枚200〜400万円する」

・「日本で販売するには"関税が45%"かかる。だからすでに買い手がついている絨毯を現地で"あなたが買ったことにして"送れば、半分の22.5%をキャッシュバックできる」

・「商品代金はドル建てで提示。社長が後日日本に来た際に、商品代金の22.5%(関税分)をその日のドル円レートで現金支払いする」と説明される。

・それならリスクがないと思い、そのビジネスをやる意思を示すと「まずは"購入実績"が必要だから、商品代金の消費税分18%を支払ってくれ」と要求される。

・もう一度、社長が後日日本に来た際に、22.5%(関税分)と18%(購入代金)をその日のドル円レートで現金支払いする」と説明される。

信頼させるための演出も巧妙
高島屋に出店したことがある」と語り、高島屋のロゴ入りラミネート写真や販促資料も提示。
まるで正規のビジネスのような演出で信頼させられました。

なぜ信じてしまったのか

  • 話の筋が“ビジネス風”だったため、「これは自分の買い物ではない」と錯覚
  • 「返金されるから」と金額感覚をマヒさせる手口。
  • 商談中にネットで調べてもこの詐欺情報が出てこなかったため、詐欺だと判断できなかった。

自分が選んでもいない絨毯をビジネス取引として買わされ、

最終的に支払った金額: 絨毯3枚、合計約120万円

後日知り合った方も同じ店、手口で被害に遭っており、滞在が長かったためクルージングや部屋に泊めてもらったりしてさらに信用し約160万円支払ったようです。

■ 詐欺師が“他の詐欺”を警告してくることもある

この絨毯詐欺を仕掛けてきた人物は、「新市街で外国人を装って英語で話しかけてくるトルコ人がいる」と警告してきました。

「仲良くなった気にさせてビール飲もう!って誘ってくるけど、絶対について行っちゃダメ。ついて行って何十万円も払わされる人がいる」

実際その後、新市街を歩いていた際ドイツ人と名乗る男が話しかけてきてある程度話していると、一緒に飲もう!と言われましたが、この忠告のおかげで冷静に回避できました。

■ ビール奢る詐欺:薬物混入で昏倒、全てを奪われる【詐欺師から聞いた話】

「海辺で飲もう」と誘われた旅行者が、渡されたビールを飲むと薬が混入されており、3日間昏睡状態になったという話を聞きました。

目が覚めると裸で倒れており、財布もパスポートもすべて盗まれていたそうです。

虫に刺されまくり、日焼けで肌もただれて脱水症状もあり命の危険もあるかなり悪質な事例です。

この話も、絨毯詐欺を仕掛けた人物が教えてくれたもので、実際にある詐欺として非常に危険です。

■ 靴磨き詐欺:ブラシを拾って、強引に靴磨きをされ請求される【実体験】

旧市街からガラタ橋を渡って新市街に入ってすぐの場所で、おじいさんが落としたブラシを拾ったところ「磨いてあげる」と言われ、スニーカーだからいらないと断りましたが、半ば強引に靴を磨かれました。

磨きながら「アンカラから来た」「子供が2人いる」など親近感を演出し、磨き終わると5ユーロを要求されました。

身の上話をされた時なんとなく請求してきそうだと思い、案の定請求されたので「I’m no money」と言って支払わず去りましたが、お礼で磨いてくれていると思っていた分少しショックでもありました。

私は渡航時知りませんでしたが調べたところ10年以上前から典型的すぎて最近はあまりない手法だそうですが、1日滞在で遭ったということは今でもかなりあるんだと思います。

他の人で3000円ほど高額を請求され、磨いてもらった後だから断りきれず払ったという人もいました。

■ しつこいたかり:タバコ・食事を求めて粘着してくる男【実体験】

イスタンブールに着いてすぐの深夜、旧市街を歩いていた際、「タバコ1箱買ってくれ」「ご飯奢ってくれ」と何度も声をかけてくる男にも遭遇しました。

小額でも何度も要求される精神的プレッシャーは想像以上に強く、無視しきるのは簡単ではありません。

永遠に「No!why?」と言ってたら去りました。

わずか1日で4件遭遇!イスタンブールの詐欺は“日常”に潜んでいる

私のイスタンブール滞在はわずか1日でしたが、以下の4件の詐欺・たかりに遭遇しています:

  • 絨毯貿易詐欺(実被害:約120万円)
  • 靴磨き詐欺(請求:5ユーロ)
  • ぼったくりバー詐欺(未遂)
  • しつこいたかり男(実体験)

この事実から、イスタンブールでは詐欺が観光客にとって日常レベルで存在していることが分かります。

特に一人旅の人を狙っている傾向があります。

総領事館が警告するその他の詐欺事例【PDFより抜粋】

在イスタンブール日本国総領事館の安全の手引きでも、次のような詐欺事例に注意喚起があります:

  • ぼったくりバー(友達詐欺)
  • イスタンブールカードのチャージ詐欺
  • 恋愛詐欺・家族の病気などを理由に金銭要求
  • 骨董品や絨毯の持ち出しに関する法律違反

→ 総領事館の公式PDFはこちら

■ 最後に:旅先で大切なのは「警戒心と冷静さ」

詐欺は強引に迫ってくるのではなく、親切そうに近づいてくるのが最大の特徴です。

「少しだけ」「せっかくだから」という気持ちが、お金だけでなく身体的にも取り返しのつかない被害に繋がることもあります。

どうかあなたの旅が素晴らしい思い出になるように、この情報が役立てば幸いです。

※この記事は、筆者自身の体験をもとに執筆しています。すべての内容は個人的な感想および状況に基づいたものであり、店舗や人物の意図を断定するものではありません。

投稿者について

世界12ヶ国を旅し、"人生を楽しむ"ことをモットーとして生きている32歳。
趣味は旅行と面白そうな所を歩き回って散策、まだ飲んだことのない国のビールを探すこと。
主にラガーとピルスナーで世界50ヶ国、日本の以外で170種類以上のビールを堪能。

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